ヴァイオリンにはあごを乗せる部分にあご当てというパーツが付いています。この部品は弦や肩当てと同じく自分の好みに自由に交換できる部品という
ことが意外と知られていません。いや、私も知らなかったのですが・・(笑)。今回はこのあご当てのお話しをしたいと思います。
今の楽器に出会ったのが5年半くらい前になりますが、購入時についていた黒檀のあご当てとテールピース(あご当てのとなりの弦を止めている部品です)を新しいものに
交換してもらいました。理由は単純、かっこいいから、です(^_^;)。実はテールピースをまたぐあご当て(ガルネリ型)と断面が3角形の
テールピース(ヒル型/イングリッシュ型)にずっとあこがれていたのです(^_^;)。オールド楽器にツゲの明るいパーツが付いてなんだか名器っぽくてとてもうれしかったのを
思い出します。しかもあご当ての締め付けがサイドからセンターになったことと材質が黒檀からツゲに変わったこともあり、お店の人も驚く程楽器が良く鳴るようになりました。
ただ、弾き慣れた前の楽器にくらべてなんだかあごがずれやすくて構えにくいなということにも気づいたのですが、
このことが数年後の日記のネタになるとは夢にも思いませんでした(^_^;)。
気になっていたあごのズレ、その後数年間にわたって構え方を工夫したり肩当てをいろいろ換えたりしましたが、結局は根本的な解決には
ならずにずっと我慢して弾いていました。おかげで左の肩が凝ったりフォームか崩れたりして演奏に影響が出ることもしばしばで、
これはなんとかせねばということであご当てを見直してみることにしました。
まず今まで使っていたあご当てはガルネリ型といわれるタイプで、テールピースをまたぐタイプとしてはもっとも一般的なものでした。
取り付け金具が楽器のセンター付近を締め付けるため楽器の振動を妨げないといわれています。あご当てのくぼみは少なく、多くの人に
フィットするようです。が、私にはくぼみが小さすぎてあごがうまく引っかかりません。ということで、もうすこし引っかかりの良い
あご当てがないかといろいろと調べてみました。条件は、1)ツゲ、2)テールピースをまたぐタイプ、3)引っ掛かりが良いこと、4)音が良いこと!、です。
・・・といろいろ楽器店サイトを見たり楽器店に直接問い合わせたりしたのですが、なんと情報の少ないこと・・・。オーバーテールピースタイプでは
ガルネリ型以外では見つかりませんでした。唯一某ネットショップにはいろいろありましたが、Crowsonというイギリスの著名な製作者のものでとても高価で
手が出ませんでした(^_^;)。
ということであきらめて(?)海外サイトでいろいろ調べてみました。するとなんと無数のあご当てが・・・。おそらく国内の10倍以上はあるでしょう。
いろいろ調べるうちにテールピースをまたぐタイプの代表的なものとして、ガルネリ型、ストラド型、フレッシュ型というのがあることがわかりました。
ストラド型はガルネリ型に比べてあご当て手前の隆起が高くなったタイプ、フレッシュ型は取付金具のみならずあご当ての中央がテールピースの真上に取り付けられるタイプ、
ということで私に合いそうなのはストラド型をいくつか取り寄せてみました。
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ガルネリ型 | その1 | その2 | その3 | |
テールピース上高さ | 低い | 高い | かなり高い | 高い |
サイド高さ | 低い | 低い | 高い | 普通 |
カップ深さ | 浅い | 深い | 普通 | 普通 |
カップ傾斜 | 緩い | きつめ | 緩い | かなりきつめ |
大きさ | 大きい | 普通 | 大きい | 小さい |
構えやすさ | いまいち | まあまあ | あんまり | 良い |
ガルネリ型 | その1 | その2 | その3 | |
重さ | 軽い | 軽い | 重い | 軽い |
金具 | 標準 | 標準 | ヒル型 | 標準 |
取り付け部面積 | 狭い | 広い | 狭い | 狭い |
コルク | 厚くてやわらか | 薄くて硬い | 厚くてやわらか | 薄くて硬い |
音 | まあまあ | ダメ | 良い | ダメ |