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日記帳

03/07/04   あご当て Part2


少し前の日記(03/01/16)であご当てのことについて書きましたが、その後もいろいろなあご当てを試してみました。 今回は前回のあとに試したあご当てについて触れたいと思います。

前回の結論ではゲッツ社のストラドタイプ(ヒル金具)がベストということでそのあご当てを取り付けて使用して いましたが、その後2/1に出演したコンサートでは楽器が安定せずにとても苦労しました。当日撮ってもらった写真を見ても、 曲によってはずいぶん楽器がずれてしまっていて苦しそうでした(^_^;)。


<スチューバー型 その1>

そこでコンサート後に、既に取り寄せていた別のあご当てを試してみることにしました。今までのガルネリやストラド型は いずれもテールピースをまたぎ、テールピースの左右に金具がくるタイプだったのですが、今度のスチューバー型といわれる タイプはテールピースをまたがすに左側に取り付るものです(金具は標準タイプ)。後ろの引っかかりの部分がかなり高く出っ張っていて、 見るからに引っかかりが良さそうです。実際に構えてみると、ひっかかりの高さがかなりあるため今までのものよりも 構えやすく感じました。ただ、お皿そのものも高いためにひっかかりの傾斜がゆるく、またひっかかりの高さも テールピースの上付近が最大で、葉っぱの外側(左方向)に向かうに従って低くなっているということもあって、見た目ほどは 構えやすくありませんでした。葉っぱの外側でもひっかかりの高さがキープされていてほしかったのですが、そこがあまり 高くないので結局ずれてきてしまうのです。2/22の本番でも使ってみましたが、やっぱり合わないようでした。


<スチューバー型 その2>

さて次は別のところから取り寄せたスチューバー型です。これは、金具が左右分割のヒルタイプであることと、 前のスチューバー型に比べて全体的に大きく、引っかかりの傾斜と高さがかなりあります。取り付けてみると実に巨大・・(汗)。 でも構えてみるとさすがに引っかかりがよく、とても楽です。むしろ引っかかりの上端がかなり出っ張っているので すこし当たって痛いくらいです。でも構えやすさは今まででは一番良かったので、これで3/1のサロンコンサートと5/5の コンサートをこなしましたが、特に不満を感じませんでした。

さて、構えやすさというところではそれほど不満を感じなくはなったのですが、気になったのは音と見た目でした。 前のスチューバ型その1もそうだったのですが、安物だけあって(その1は20ドル、その2は33ドル=国内価格では 5000〜8000円程度のもの)木の質も安っぽく、いろいろな部分の加工も甘く、取り付け面の角度も良くないのです (その2はヒル金具で角度調整ができないので致命的!)。音の面では、やはり片側取り付けということもあって あご当てが楽器の響きをかなり抑えてしまっている印象でした。

写真左より  Crowsonルジェーリ型、スチューバー型その2、スチューバー型その1

<Crowson ルジェーリ型>

もっと良いあご当てがないかと思っていたところ、先日の「弦弾き比べイベント」で、お客さんの楽器についていた Crowson のあご当てを見せて頂くことができました。 Crowson はイギリスでフィッティングパーツ(あご当て、テールピース、 ペグ、エンドピンの4点をフィッティングといいます)を作っている職人なのですが、 大変高価であるにもかかわらず世界中から Crowson のフィッティングを求める人が後を絶たないことからも、その品質の高さが 伺えます。今回見ることが出来たのはストラド型によく似たルジェーリ型だったのですが、その加工の美しさといったら! 木の質感と加工の見事さに惚れ惚れしました。たかがあご当て、なんて思いそうなものですが、やはり木を削って美しい曲面に 仕上げられているものというものは芸術品のような美しさがあります。見た目だけでなく、その形状もお皿の部分が大きく へこんでいて、引っかかりの部分がテールピース上から葉っぱの先までキープされているのです。一目見て気に入ってしまい、 イベント終了後にその足で「 Crowson がいくつか置いてあった」という銀座の山野楽器に行くことにしました(^_^;)。

お店に着くと、肩当てやミュートなどにまじって Crowson のあご当てが本当にいくつも置いてありました。標準的なガルネリ、 同じくテールピースをまたぐタイプでも引っかかりの良いストラドとルジェーリ、片側取り付けのテカ、などがありました。 その中でもオーバーテールピース型であるストラドとルジェーリ型を見比べてみましたが、若干ストラドが小ぶりという違い だけで、見た目も構えやすさも(自分の楽器に仮止めして試しました)ほとんど変わりませんでした。そのときの在庫は ストラド型がローズウッドのみでルジェーリ型はツゲとローズウッドの両方があったので、ツゲのルジェーリ型を 買うことにしました。ちなみにお値段は意外にも安くて36000円でした(^_^;)。国内ではだいたい定価50000円くらいが つけられていることを考えるとかなり安かったです。ちなみにローズウッドや黒檀のものは30000円でした。

さて家に帰って早速取り付けです。合わせてみるとかなりあご当てとテールピースが当たってしまっています。多少の干渉なら あご当ての裏側のテールピースと干渉している部分を削るだけで済むのですが、ちょっとやそっと削ってもダメそうなので コルクの部分に薄いコルク(1mm厚)を足してみたら削る量がだいぶ少なくて済みました。ちなみに、 Crowson のツゲは 他のあご当てのツゲと全く硬さが違います。安物のツゲの倍くらい硬い感じがしました。

テールピースと干渉する部分を削り、裏のコルクも若干削ったりしてようやく取り付けできました。まずは弾く前に眺めて 楽しんでしまいました(^_^;)。濃いめの色に染められたツゲの表面は安っぽくテカテカしてなくて、触った感じもほどよい摩擦が あります。引っかかりの部分の形状も、傾斜と高さがありながらも綺麗に丸められています。お皿の部分はかなり深くなっていて、 引っかかりの形状がテールピースの方まで維持されています。たいていは引っかかりの傾斜がテールピースに近づくと平らになって しまい構えると見た目ほどの引っかかりがないものが多いのですが、 Crowson のものはそのあたりの形状も「このタイプを選んでいる 人が何を求めているか」ということを考えられています。引っかかりの高さは葉っぱの先の方まで続いていて、顔を少し左寄りに 構える場合にも具合がよいです。そしてなんといってもそれらの加工の美しさは本当に見事です。曲面といってもいくつかの面が 組み合わさって出来ているわけですが、安物ではいかにもそれぞれの面を削りましたという機械的な感じがあるのですが、 Crowson のものは曲面から曲面へのつながりが実に自然で、このあたりは実用性というより製作者のこだわりを感じます。 金具はヒルタイプの銀無垢で、裏に Crowson AA の刻印があります。

さて眺めてばかりではしょうがないので、弾いてみました。やはり構えた感じはお店で試したときと同じく、とてもしっくり きます。ただ、肩当ては Mach One に換えた方が良いようで、Viva Compact のままだとちょっと不安定でした。 私にはこの Crowson と MachOne の組み合わせが実にいい感じです。 音はやはりセンター取り付けということもあってかスチューバー型のどちらよりも良かったです。前回の ストラド型その2などと比べてどうかというのは試していませんが、おそらく遜色ないのではと思います。

ということで、自分の使っていたあご当てに疑問を持ち始めてから約半年、ようやく行き着いた今回の Crowson ルジェーリ型は かなりのお気に入りとなりました。私はかなり汗かきなので、安物のあご当てだと すぐに変色したり染料が溶け出したりして最初はそうなるもんだと思っていたのですが、さすがに Crowson ではそんなことは ありませんね(^_^;)。高価ではありましたけど、品質や形状、加工などとても良いですし、長く使えそうです。 楽器を買い換える時は、このあご当てを外して新しい楽器に付けるのはいうまでもありません(^_^;)。

なお、これらあご当ての写真は近日中に載せたいと思います。

ちなみに、Crowson(イギリス)の他のフィッティングメーカーでは、ドイツの Otto Tempel、フランスの Les Bois d'Harmonie、 イタリアの Bogaro & Clemente などが有名です。Otto Tempel はチタン製のあご当て金具とツゲの染め方のバリエーション、 Les Bois d'Harmonie はアジャスタ埋め込みのテールピースと彫刻入りのフィッティング、Bogaro & Clemente はスネークウッドや フェルナンブーコを使ったフィッティング、などなどそれぞれいろいろ特徴があるようです。どれも高価ですが Crowson ほどではなさそうなので、 テールピースやペグ、エンドピンあたりはこの辺をねらってみようかな・・(^_^;)。今楽器店からお借りしている楽器に Otto Tempel のフィッティングが付いていますが、渋い Crowson とはまた違って明るい感じです。なかなかこれも良いですね。

またしてもたくさん書いてしまいました。次は小ネタでもいきたいと思います(^_^;)。

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