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日記帳

03/09/30   新しい楽器での弦選び


先日、楽器を買い換えました。以前の楽器ではいろいろな弦を試して試行錯誤してようやく答えのような ものを見つけましたが、今度の楽器にはどんな弦が合うんだろう、どんな音がするんだろう、ということで いろいろ試しています。今回は試した弦について途中経過ながらまとめてみたいと思います。まずはG、D、A線から・・。

<ドミナント>
今回の楽器には最初ドミナントが張ってありました。ということは、ドミナントを張った楽器に満足して 買っているので、おそらくドミナントと楽器の相性は良かったのでしょうね(^_^;)。反応、音量、音色、 そして特に表現力に魅力がありました。音色はGとDの開放を和音で弾くと、なんというか気持ちよく 響くのが特徴的でした。ドミナント独特のじゃりじゃり感がとてもいい具合に音色を魅力的にしてくれます。

<オブリガート>
ただ、良いと思ってもいろいろ試したくなるのが人情(いや、僕だけだと思います・・)。少し深みのある音を と思ってオブリガートを試してみました。すると、3週間ほど使い込んだドミナントよりもなんだかパッとしないのです。 音色の深みなどはドミナントよりもずっと上でとてもよいのですが、楽器の魅力的な倍音が殺されてしまっている 感じです。こもったような音になってしまいました。

<エヴァピラッツィ(Sterk)>
オブリガートが今ひとつだったので、前の楽器に使っていた、使い古しのエヴァピラッツィ(Sterk)を張ってみました。 使い古しなのであまりまともな評価にはならないと思いますが(^_^;)、3週間くらい使用した弦ということを覚えておけば それはそれでよいかなと(^_^;)。張って弾いていると、とにかくパワフル。ガンガン鳴ります。うるさいぐらいに 鳴りますね。ただ、弓の圧力を多めにかけないと発音しにくいところがあり、僕の好きな「軽い弓での音色のコントロール」 がしにくいところはバツでした。なんとなく弦が硬くて重いような感触です。でも音は派手ですし、音色もなかなか 良いので、そのうちにエヴァピラッツィのMittel(国内で売っているものは書いてませんが全てこれです)を 試してみたいところです。

<インフェルド(赤)>
3週間使用済みのエヴァピラッツィをさらに3週間使うと目立って音色の劣化が気になってきました。どんどん 音が鈍くなる感じです。どうも今度の楽器は弦の劣化にシビアらしい・・(;_;)。ということで、またまた使い古し の弦ということでインフェルドの赤を張ってみました。インフェルドの使い古しなんてと思いましたが、 使用期間は5日だったので試してみました。すると計6週間使ったエヴァピラッツィに比べて実に自然な響き。 音量もあり、そして少し残っていた独特のじゃりじゃり感がなかなか良い感じです。やはり今度の楽器には ドミナント&インフェルド系が合うのかもしれませんね。そして2週間使って劣化したあたりでちょっとした 本番があったので、今度は3年以上前(!)の新品インフェルド赤を張りました。さすがに計3週間使って劣化した インフェルドよりはマシでしたが、共演したNatsumiさんの楽器に明らかに音量で劣り、僕の楽器を弾いてみた彼女も 「なんか音がこもってない?」と。さすがに最悪の環境で保存されていた3年前のインフェルドはダメだったみたいですね(^_^;)。

<再びドミナント>
というわけで、先日のシベリウス協会コンサートに向けて今度は「新品の」ドミナントに張り替えてみました。 すると、今までのインフェルドはなんだったのかというくらいに楽器が鳴り響きました(^_^;)。音量もあり、 気持ちよいくらいの反応のよさ、倍音も豊かでドミナント独特のじゃりじゃりが実にいい音を出してくれています。 本番の二日前はオケのGP、前日はオケ本番、そして当日と3日間を通してとても素晴らしい音でした。 ただ、1週間を過ぎると大分おとなしくなり、2週間後には最初の新鮮な音は影を潜めてしまいました。 いままでドミナント系は劣化が早いと聞いてはいましたが、この楽器ではそれが特に顕著に出るので 本番では1週間過ぎたら使いたくない、という感じです。と考えると、不経済にバンバン弦を取り替えるか、 もしくはおいしくない時期を我慢して使い続けるか、という選択肢に迫られます。なんとも・・・。

<オリーブ>
ドミナントは非常に良いけれど、長持ちしない。長持ちする弦はと考えて浮かんだのがオリーブでした。 ガット弦は切れやすく、また湿度の変化に弱いという欠点がありますが、湿度は季節を考えたらあまり問題 なさそうですし、切れやすいといっても2週間程度で本来の音色を失うドミナントのことを考えたら、 3ヶ月くらいは切れずに良い音色が持続しそうなオリーブは良さそうかなと思ったのです。音量もわりと ありますし、倍音も豊か、さらにガット独特のざらざら感が良い音色を生み出すのではないかと期待して、 Aは標準の13 1/2、Dは標準16 3/4のリジッド、Gは1ゲージ太い16のリジッドを張ってみました。AとDは 思ったよりも張りがあって倍音も豊かでなかなかですが、G線がなんだかすごく重い感じです。重くて鈍い というか、もっさりまったり、という感じでしょうか(^_^;)。まぁ音自体は表現力も豊かでさすがオリーブ というところですが、やはり反応の鈍さというものが気になりますね。イザイ無伴奏ソナタ2番の4楽章など (マイナーですみません)、弓元で早くて激しい重音のスピッカートをすると反応の鈍さがドミナントに 比べて顕著です。楽器との相性かもしれませんが、テンポを落として確実に発音する作業が強いられます (=自分のイメージで弾けない・・)。クライスラーだと愛の悲しみは合うけど喜びは合わない、という感じですね。 それと、張ってから3日目あたりは、D線で音が裏返るという現象(開放弦でない音で)が頻発しました。 もしかしたら楽器に合わないのかな・・。でもガットですのでなじむまで時間がかかるということもあります。 もう少しこのまま様子をみていきたいと思います。暮れまで使えるといいなぁ。。。(高いし。。)

というわけで、現段階ではドミナントがベストという結果になりました。インフェルドは赤しか試して いませんが、ドミナントよりもノイズが少なくて洗練されている感じです。ただ、自分の楽器には ノイズ感のあるドミナントの方が逆に合うようです。それとインフェルド赤はちょっと弦が硬い感じが しますね。インフェルド青はまだ試していないのでどんな感じか興味があります。楽器自体が弦の金属的な 音の成分を良い音色に変える傾向があるので、人気のない「うるさくて金属的な青」が意外と合うかも しれません。ま、とりあえず「ドミナントの張りたての音」が持続する弦が欲しいです(^_^;)。トニカ とかも試してみようかな。

さて次はE線です。気づくとずいぶん試してるような・・・。

<ゴールドブラカット0.27>
これは最初に張ってあった弦です。音はなかなか良かったですね。良く鳴るけれど硬質な感じはなく、 音に関しては不満がありませんでした。ちょっとひっくり返るのは気になりましたけど、それ以外は 特に問題なくこの楽器に使えそうです。

<オブリガート(金メッキ)>
これはADGと一緒に張り替えたのですが、全く合いませんでした。音はかなり硬質で、しかもひっくり 返りまくり・・。もう全然ダメでした。3日も我慢できませんでした・・。前の楽器のときはひっくり 返ること以外はそんなに不満なかったのに・・。

<ゴールデンスパイラル>
ということでやわらかい音の代表ともいえる、ゴールデンスパイラルを張ってみました。 たしかにゴールドブラカットの時よりも音が柔らかくなり、ぐっと表現力が増しました。 ただ、ちょっと音量がおとなしくなってしまったかなと思います。またひっくり返りは ゴールドブラカットよりも頻度が高かったです。ゴールドブラカットの方が良いかな・・。

<ピラストロ No.1> ひっくり返りにくいといえばピラストロのNo.1。前の楽器ではなぜかひっくり返る弦となって しまいましたが、今の楽器では本当にひっくり返りにくかったです。ひっくり返りにくい弦というのは、 ひっくり返らない音も弦が素直になっていることが多いので発音が自然でした。ひっくり返りやすい 弦は、ひっくり返っていない音でもなんだか弦が異常な振動をしていて不安定です。この弦は カーボンスチールにクロムを巻いてあるのですが、とても細く感じます。そのためにヴィブラートなどの ニュアンスの変化が付けやすく表現力が豊かです。ただ、弦の音色自体はあまり良くありません。

<ピラストロ No.1(Sterk)>
Sterkも試してみました。するとテンションが高すぎるのかひっくり返りやすく、No.1のメリットを あまり感じませんでした。No.1はMittelに限ります(^_^;)。

<トマスティーク e01>
トマスティークの新製品e01を試してみました。音はやや金属的で、かなり派手な音がします。 まるで、あまり評判のよくなかったドミナントのE線のイメージとあえて正反対の音を狙ったという感じがします(^_^;)。 ひっくり返りやすさなどは標準的です。E線が暗い楽器には良さそうですが、E線が鳴る楽器には 合わなさそうな弦ですね。

<ゴールデンスパイラル・ソロ(Heavy)
これはかなりいい音がしました。音色の伸びもパワーもなかなか。金属的な感じがしないのが良いです。 ただ、ひっくり返りやすいのがどうにも・・。今度Heavyじゃないゴールデンスパイラル・ソロを 試してみようかなとも思います。

<ヘリコア アルミ巻き(Heavy)
アルミ巻きというわりには音はフツーのスチールっぽいです。オイドクサアルミのような「やわらかい音」 とはずいぶん違いました。これもちょっとひっくり返りやすいですね。音は特別どうこうという感じは ありませんでした。可もなく不可もなく・・・。

<オイドクサ アルミ巻き(Sterk)
アルミ巻きのSterkを試してみました。普通のスチールとは明らかに系統の違う、やわらかい落ち着いた音です。 鳴りもSterkなのでそれなりにありますが、テンションが高すぎるせいかこれもややひっくり返る傾向が ありました。今度の楽器にはSterkやHeavyという名のつくものはどの弦でも合わないかもしれません(^_^;)。

<ウェストミンスター 0.275>
前の楽器で好んで使っていたE線最強の弦、ウェストミンスターの0.275(27 1/2)を試してみました。 意外と良かったです。パワーもあるし、音色もまあまあ、そんなにひっくり返りやすくもないし。 でもその強いテンションゆえに他の弦が鳴りにくくなるので、出来れば使いたくない弦であります(^_^;)。

ということで、いろいろ試した中で一番使いやすかったのはNo.1でした。クロム巻きなのでさびにくいという メリットがありますね。普通のスチールは2週間、ゴールドブラカットは1週間で真っ黒になってしまうので 寿命が長いです。でもなぜかNo.1は3週間を超えるとひっくり返るようになってくるのが不思議。他の弦では 音色ではゴールドブラカット0.27、ゴールデンスパイラルソロ(heavy)、あたりが好印象でした。 次はゴールデンスパイラルソロのMediumあたりを試してみたいです。


というわけで、楽器を替えて再燃している弦選び、まだちょっと結論が出ていません(^_^;)。ちなみに僕が なぜここまで弦にこだわるのかというと、そんなに高い楽器を買える訳ではないからせめて楽器の能力を 目一杯引き出したい、なるべく自分の感性に合う弾き心地と音で弾きたい、というところですね(^_^;)。 人に音を聴かせるのであれば自分の演奏をなるべく良い音で聴いてもらいたいですし、 同時に自分が気持ちよく弾けることでより良い演奏、音色、音楽的表現が可能になると思います。 ただ、これは人によりますね。ちなみに弦に無頓着な演奏家もいらっしゃいますが、たいていは弦の違いなど 気にしなくても良いくらいの楽器を持っている、あまり細かいことが気にならないのでどんな弦でも 自分が気持ちよく弾ける、ということのようですね(^_^;)。それはそれでうらやましいですが、 僕の場合は弦をいろいろ試すのが、一つの楽しみにもなっている気が・・(^_^;)。

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