普通の日記コーナー |
★03/01/16 あご当てヴァイオリンにはあごを乗せる部分にあご当てというパーツが付いています。この部品は弦や肩当てと同じく自分の好みに自由に交換できる部品という ことが意外と知られていません。いや、私も知らなかったのですが・・(笑)。今回はこのあご当てのお話しをしたいと思います。 今の楽器に出会ったのが5年半くらい前になりますが、購入時についていた黒檀のあご当てとテールピース(あご当てのとなりの弦を止めている部品です)を新しいものに 交換してもらいました。理由は単純、かっこいいから、です(^_^;)。実はテールピースをまたぐあご当て(ガルネリ型)と断面が3角形の テールピース(ヒル型/イングリッシュ型)にずっとあこがれていたのです(^_^;)。オールド楽器にツゲの明るいパーツが付いてなんだか名器っぽくてとてもうれしかったのを 思い出します。しかもあご当ての締め付けがサイドからセンターになったことと材質が黒檀からツゲに変わったこともあり、お店の人も驚く程楽器が良く鳴るようになりました。 ただ、弾き慣れた前の楽器にくらべてなんだかあごがずれやすくて構えにくいなということにも気づいたのですが、 このことが数年後の日記のネタになるとは夢にも思いませんでした(^_^;)。 気になっていたあごのズレ、その後数年間にわたって構え方を工夫したり肩当てをいろいろ換えたりしましたが、結局は根本的な解決には ならずにずっと我慢して弾いていました。おかげで左の肩が凝ったりフォームか崩れたりして演奏に影響が出ることもしばしばで、 これはなんとかせねばということであご当てを見直してみることにしました。 まず今まで使っていたあご当てはガルネリ型といわれるタイプで、テールピースをまたぐタイプとしてはもっとも一般的なものでした。 取り付け金具が楽器のセンター付近を締め付けるため楽器の振動を妨げないといわれています。あご当てのくぼみは少なく、多くの人に フィットするようです。が、私にはくぼみが小さすぎてあごがうまく引っかかりません。ということで、もうすこし引っかかりの良い あご当てがないかといろいろと調べてみました。条件は、1)ツゲ、2)テールピースをまたぐタイプ、3)引っ掛かりが良いこと、4)音が良いこと!、です。 ・・・といろいろ楽器店サイトを見たり楽器店に直接問い合わせたりしたのですが、なんと情報の少ないこと・・・。オーバーテールピースタイプでは ガルネリ型以外では見つかりませんでした。唯一某ネットショップにはいろいろありましたが、Crowsonというイギリスの著名な製作者のものでとても高価で 手が出ませんでした(^_^;)。 ということであきらめて(?)海外サイトでいろいろ調べてみました。するとなんと無数のあご当てが・・・。おそらく国内の10倍以上はあるでしょう。 いろいろ調べるうちにテールピースをまたぐタイプの代表的なものとして、ガルネリ型、ストラド型、フレッシュ型というのがあることがわかりました。 ストラド型はガルネリ型に比べてあご当て手前の隆起が高くなったタイプ、フレッシュ型は取付金具のみならずあご当ての中央がテールピースの真上に取り付けられるタイプ、 ということで私に合いそうなのはストラド型をいくつか取り寄せてみました。 まず試したのは海外から取り寄せたストラド型その1(30ドル)。ショップサイトの写真ではわからなかったのですが、実物を見るとかなり変わった形を しています。テールピースをまたぐあたりは非常に高さがあるのですが、そこからサイド方向(左)にいくにしたがって低くなっています。 引っかかりの部分は手前と中央の高低差があり、かつ傾斜がきつめなのであごの引っかかりは良さそうです。 合うか合わないかは付けてみないとわからないので、まずは今まで使ってたあご当てをはずして装着してみました。ちなみにあご当ての金具のねじを回すのには 細いピンやドライバーでも代用できるのですが、専用工具が安かったので(3ドル)一緒に注文しておきました。なお、取り付けのときにテールピースと あご当てのアーチが干渉したので、あご当てのアーチを削ってテールピースに当たらないようにしました。そして取り付けが終わった楽器を構えてみると 意外に良い感じです。でもちょっとテールピース上付近のみ高いというのがちょっと気になるかなというところです。まぁ、これなら許せるかなと思って 弾いてみると・・・楽器が鳴らない。。。なんか押し付けたような音で響きが変わってしまったのです。もしかしてコルクを削れば良くなるかなと思って (あご当てには楽器に当たる面に薄いコルクが貼ってあり、そのままの状態では楽器と面が合っていません。楽器のカーブにコルクを削ってフィットさせるのが 普通なのですが、とりあえず付けただけなのでまだ削ってませんでした)ナイフで形を合わせてみましたが、ある程度までしか良くなりませんでした。 構えやすくはなったけど音が良くない・・。あご当てに貼ってあった薄くて硬くて安っぽいコルクのせい? それとも木そのものの材質のせい? どっちにしてもちょっとこれはパスです。。。 そして次に登場したのは海外から取り寄せのストラド型その3(30ドル)。形はおそらくもっとも私に合っていると思われたものです。テールピース上から サイド方向への高さの変化が少なく、また引っかかる部分のふちと中央の高低差は少ないながらも傾斜が急で構えやすそうです。ちなみにコルクはその1と同じような 薄くて硬くて安っぽいものです。早速コルクを削って合わせながら弾いてみましたが、やはり形状はこれがベスト。アゴがずれにくく楽に構えられます。 しかし音は・・・その1と同じでした。うーん、どうしてでしょうね? かなり軽そうに見えるので音への影響は一番小さいように見えるのですが・・・。 ということで、どういう形のあご当てが自分に合うかはわかってきました。私の場合、あごに引っかかる部分の高さよりも傾斜が利いてくるようです。 まとめると、
また、あご当てによって音がどうしてこれほど違うのかということが 新たな疑問となって沸いてきました。音的には、ストラド型その2が一番良く、ガルネリ型がその次、その1とその3は似たり寄ったり。 あご当てそれぞれの違いをまとめると、
っと適当な表を作るとこんな感じになります。こんなことして意味あるんだろうか・・・(汗)。でもこれを見ると少なくともヒル足というものが音に 良い影響を与えている感じがします。それともしかしてコルクの影響も意外とあるのかなと思いました。といってもどちらも憶測でしかありませんが・・。 ということで現在ここで止まっていて結論がまだ出ていなかったりします(^_^;)。本番も近いので早く「良い音で構えやすく」を実現したいところです。 ちなみに某友人には、「あご当てなんかにこだわってないであごの骨でもけずって整形したら?」なとどいわれました(ToT)。でもやっぱりこだわりたくなってしまうのが 私の性格。今週末から来週頭にはテールピースをまたがないタイプでとても引っかかりの良さそうなスチューバー型というのが届く予定なので、 時間があったら厚めのコルクシートでも買いにいっていろいろ試してみようかな・・(^_^;)。近いうちに続編も書きたいと思います。 参考までに・・ <あご当てで一般的にいわれていること>
<私が気づいたこと>
|