弓の返し方ですが、2-2. 弓を動かすの項にも書いたとおり 弓を返すときには指の動き、ひじの動きが重要です。しかしここではメカニカルなことではなく 「音」に注目して弓を返すときの注意点を書きたいと思います。
まず弓を返すときに気をつけることは、弓を返す前後で音が痩せたりしないようにということです。 どうやっても弓を返す瞬間には音が途切れるわけですが、弓を返す寸前まで今まで弾いていた音を 持続して、また弓を返した直後に元の音が立ち上がるというのが理想的です。そのためには 弓を返すときの音の途切れを出来るだけ目立たぬように弓を返す練習をすると良いです。弓を返す 寸前、弓を返した直後に神経を集中することが重要です。もちろん、2-2. 弓を動かす コーナーの終わりの方に書いた指、ひじの動きも大事ですので、上手くいかない場合はもう一度 確認してみてください。
それから弓を返すときに音が途切れない、ということを意識しすぎると弓を返した直後にアクセントが 付いてしまうことがあります。そういう意識がなくても弓を返すときに常に弓を引っ掛けてしまうクセが ついている場合もあります。たいていそういう時は弓を置いて弾き始めるときにも引っ掛けていることが 多いですので、指の動きをやわらかくし、弓を置いて引っ掛けないように弾き始める練習、そしてゆっくり 弓を返す(返しをスローモーションで行う・・・元弓は結構きついですよ)練習などが効果的です。
また、元弓でギシギシいうのが怖くて持ち上げてしまう人がいますが、元弓を怖がりすぎないというのも大切です。
なお、弓の返し方のメカニカルな面ですが、重要かつ注目すべきポイントが弓の持ち方から弓のバランスの取り方、 指、手首、肘、肩など非常に多岐にわたるため、ここではとても説明仕切れません。