上行音階という難しそうなタイトルになっていますが、ここでは単純に1の指から4の指を押さえてゆく時の ポイントを説明します。まず基本的なことですが、1の指から2,3,4という風に順番に押さえてゆく時、 下の指が動かないということが大切です。例えば、A線で1の指でH、2の指でCを押さえます。そしてここから 3の指でDを押さえる時、1と2の指がつられて動いたりしてはいけません。1でH、2でC、3でDを押さえていて 4の指をEの位置に置こうとした時も同じです。最初のうちは2と3の指の間を開いたり3と4の指の間を開いたり するのが上手く出来ないので、つい下の指が引きずられてしまいがちですが、3の指を押さえても1と2は HとCの位置をキープする、4を押さえても1,2,3がそれぞれ正しい位置をキープするのが大切です。
そんなことは出来ているという方にとっては当然と感じるかもしれませんが、弦を押さえている指先が動かなくても、 引きずられて指の角度が変わるのもNGです。また、弾きながら左手がぐにゃぐにゃ動く人がいますが、これも 良くありません。余計な動きはしないようにします。音が変わる瞬間に指だけがさっと動く、そんなイメージです。
移弦を含むときの指の置き方ですが、1,2,3,0,1のように開放弦を含む時はあまり問題はないと思います。 また1,2,3,4,1のように4の指を用いた時は、4の指から次の弦に移る前には(一瞬前でもOK)次の1の指を押さえて おくようにします。ただ左手はさほど難しいわけではなく、滑らかにいかない場合は右手の移弦のタイミング のずれの場合が多いです。2-8. 右手編〜移弦も参考にしてください。
それから今度は音程について。A線でH,C,D,Eという音階を弾くときには1と2の間が半音、2と3と4の 間が全音になり、1と2の指が近づいて2,3,4が離れた形になります。H,Cis,D,Eだと2と3が近づきます。 簡単に言ってしまえば半音は指をくっつけて全音は離す、ということになるのですがこの説明が問題になる ことがあります。ヴァイオリンの先生によっては半音は指をぴったりとくっつけなさいと言いますが、 日本人の標準的な指の太さからいって第一ポジションで指をくっつけて半音をとると半音を狭くとりすぎて しまうのです(特に女性)。だから私は半音で指をくっつけ全音は離す、という教え方はしません。 半音は近くに全音は遠く、という風に説明しています。どうしても近づかない場合はくっつけてと言いますが。
なお、この項と次項の写真ですが、一人で撮影しているため実は楽器を構えた状態では ありません。そのため手のひらが大きく写っています(手のひらの小指側がネックに近づきすぎている)。 あらかじめご了承ください。