上行の次は下行のポジション移動です。多くの人は上行より下行のポジション移動を苦手としています。 下行では手を遠くへもってゆく動作のため位置を決めにくいこと、ポジション移動後の指が1の指でないことが 多いため位置決めをしにくいこと、またポジション移動中の楽器には左手によってはさんでいるあごと鎖骨から引き剥が そうという力が働くので不安定になる、などがその理由のようです。
次に先行した親指と手首に引き寄せられるようにして1指が移動します。(写真下) そして1の指が1stの正しいHの位置に 下りきったところで2の指でCを押さえます。
上述の1の指をつけたまま下のポジションの位置に下がるというのは、ハイポジションなどの親指が動かない状態でのポジション移動でも 手の正確なポジション把握に役立ちます。
なお、上行のポジション移動でのポルタメントを伴わない、または目立たなくするフィンガリング(開放弦、指の拡張、半音でのシフト) などはどれも下行音階でも同じです。下行音階でのポルタメントは上行のそれよりも目立ちますので、フィンガリング工夫する必要性は高いと 言えるでしょう。