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3-13. 左手編〜フラジオレット

フラジオレット(ハーモニクス)は左手の指で弦に軽く触れることによって倍音を響かせて笛のような音色を得るという奏法です。 様々な曲に取り入れられていて、その特徴ある音色を効果的に用いる場合や弾きやすさの点で便宜的に用いられる場合があります。

ではフラジオレットの原理をごく簡単に説明しておきます。 通常の奏法では指を置くことで弦の長さを短くして音程を変えているわけですが、フラジオレットは弦の長さの半分、3分の1、4分の1、などの 位置に指を触れることで弦の振動に節をつくり、開放弦の2倍音(1オクターブ上)、3倍音(1オクターブ+5度)、4倍音(2オクターブ上)を 響かせます。倍音や弦の節について詳しく知りたい方は書籍やWeb上で探してみると詳しい資料が見つかるかと思います。(説明は出来るのですが、 なにぶん弦の振動図を描いたり、弦の固有振動や周波数と倍音列の説明などいろいろ手間がかかるので割愛させて下さい)

さて、実際の奏法においては通常のフラジオレットと技巧的フラジオレットの二つがあります。

譜例26-1
譜例26-2
譜例26-3

通常のフラジオレットは弦のある特定の部分に触れることでオクターブ上やそれ以上の音を響かせます。例えばE線であれば、 開放弦の1オクターブ上のEの位置(譜例26-1)に3指もしくは4指で軽く触れた状態でボウイングをすると、音程は同じですが通常の音と違う 透明感のある響きのある音が鳴ります(弦の長さの中央=2倍音=1オクターブ上)。また同じE線で、今度は2オクターブ上のE(譜例26-2)もしくは 1stポジションの3指Aの位置(譜例26-3)で弦に軽く触れると2オクターブ上のE(譜例26-2)が響きます(弦の長さの4分の1または4分の3=4倍音=2オクターブ上)。 その他の弦でも同様ですし、上に挙げた以外にも様々なポイントがありますが、開放弦の倍音という限られた音しか出せない のでフラジオレットで音階を弾いたりすることは基本的には出来ません。

譜例26-4

技巧的フラジオレットは弦を1指で押さえて4指でフラジオレットをかけるという高度な技術です。先ほどのE線の例で行くと、 3rdポジション1指でAをしっかりと押さえ、そして4指でDの位置に軽く触れる(譜例26-4)と最初の1指のAの2オクターブ上の音が 得られます。つまり、1指で押さえたAの音に対して2オクターブ上の倍音を取り出すのです。この技巧的フラジオレットは 元になる音を1指で押さえるので原理上全ての音を出すことが出来ます。もちろん音階やメロディーをフラジオレットのみで 奏でることも可能です。しかししっかり押さえる1指と触れるだけの4指の力加減と位置をコントロールするのが難しく、 またメロディを弾く場合にはメロディを全て1指で取るのと同じことですので、とても難しい技術と言えます。 なおこれを二つの弦で同時に行うダブルのフラジオレットという超絶技巧もあります。A線では1で押さえ3でフラジオ、 E線では2で押さえ4でフラジオというような。

フラジオレットに関する知識はこれくらいにして、実際にフラジオレットを用いる場合のポイントを挙げておきます。 まずは左手。指を出来るだけ寝かし、腹で弦に軽く触れるようにします。この軽くというのが難しいのですが、上手くいかない 人の多くは指が弦にしっかり触りすぎています。指に弦に触れる感触がかすかにつたわってくるくらいの軽さを意識 します。次は右手。意外とこの右手が原因でフラジオレットが上手くいかない人も多いようです。右手のポイントは、 弓をたくさん使い弓のスピードをなるべく速くする、弓をしっかり弦につける、駒寄りを弾く、の三点です。 どうしてもフラジオレットのときは左手の軽い感触に神経がいっていて、右手のボウイングが小さく、また弦をなでる ような軽い弓になりがちです。

私が以前教えた生徒さん(もうすぐ音大を受験する上級者です)で「フラジオレットが全然上手くいかない」というので 弾いてもらったら弓を3分の1程度しか使わず、また弓に全く重さが乗っていませんでした。試しに、「左手はそのままで 弓をしっかり弦につけて全弓使ってごらん」とアドバイスしたところ綺麗なフラジオレットが響き渡り、弾いた本人も ビックリでした。上級者でもつい忘れてしまいがちなフラジオレット、「左手は軽く、右手はしっかりと」がコツです。

それと最後に指を置く位置。きちんと押さえた時とフラジオでは微妙に指を置く位置が変わります。きちんと押さえた時は 弦を引っ張りながら指板に押し付けているのですが、フラジオではそれがありません。なので通常の指の位置だと少し 指が低すぎます。ということで指を置くのは若干高めの位置になりますが、最初のうちは指の位置を探って最も音が 響く位置を確かめてみてください。

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