スイッチOTCとなった第二世代抗ヒスタミン薬 | |
アルガード鼻炎内服薬Z |
アレジオン10 |
花粉症はアレルギーの原因物質であるヒスタミンの働きによりくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、など多くの症状が引き起こされます。抗アレルギー薬はこのヒスタミンの発生と放出を抑えることにより症状を軽くし、また症状が出始めるのを遅らせる効果があります。
出てしまったヒスタミンを抑えるのではなく、ヒスタミンの発生そのものを抑えるので予防的効果が期待出来ます。花粉の飛び始める2週間くらい前から飲み始め、シーズン中は切らさずのみ続けるようにします。それほど強力な薬ではありませんが、副作用の少ない薬が多くほぼシーズン中は飲み続けることが出来ますし、症状の軽い方であれば抗アレルギー薬のみでも症状が軽くなることが十分期待できます。
抗アレルギー薬は非常に多くの種類がありますが、効き目や副作用(眠気など)は個人差があります。ある方にはAという薬が良く効き、別の方にはBという薬の方が良く効く、というようなことが往々にしてあります。そのため、効いていないと感じたら先生と相談しながら薬を替えてみるのも一つです。副作用が少なくて効果の高い自分に合った薬を見つけることが出来れば、それに越したことはありません。
なお、抗アレルギー薬でも抗ヒスタミン効果のあるものとないものがあります。抗ヒスタミン効果のある抗アレルギー薬を塩基性抗アレルギー薬といい、下記の薬がそれに相当します。
塩基性抗アレルギー薬・・・ アゼプチン、アレロック、セルテクト、レミカット(ダレン)、ザジデン、アレジオン、エバステル、ヒスマナール、ジルテック、アレグラ、タリオン、ゼスラン(ニポラジン)、クラリチン、ザイザル、ディレグラなど。
それに対し、抗ヒスタミン効果を持たない抗アレルギー薬を酸性抗アレルギー薬といい、下記の薬がそれに相当します。
酸性抗アレルギー薬・・・ リザベン、アレギサール(ペミラストン)、ソルファーなど。
現在はほとんどが前者の抗ヒスタミン効果のあるタイプが使われており、予防効果と即効性の抗ヒスタミン効果を併せ持つ塩基性抗アレルギー薬を「第二世代抗ヒスタミン薬(第二世代ヒスタミン拮抗薬)」と呼びます。
(2015/01/04追記) 上記の比較的新しい塩基性抗アレルギー薬の多くもジェネリックが増えてきたため、代表的な新薬名とジェネリック名(認可予定のものも含む)をまとめました。
新薬名 | ジェネリック薬名 |
アゼプチン | アゼラスチン、ラスプジン、アドメッセン |
アレロック | オロパタジン |
アレジオン | エピナスチン |
エバステル | エバスチン |
ジルテック | セチリジン |
アレグラ | フェキソフェナジン |
タリオン | ベポタスチン |
クラリチン | ロラタジン |
ザイザル | レボリッド(2016/1/4現在認可待ち) |
アレジオン | エピナスチン、エピナジオン |
(2016/01/04追記) 新しい抗アレルギー薬としてディレグラが登場し、花粉症でも処方されるケースが増えてきました。ディレグラはアレグラにプソイドエフェドリンという鼻づまりを改善する成分を追加した配合錠です。飲み方や注意などについては<花粉症の薬 処方薬>のページをご覧ください。
(2016/03/15追記) なお2016年1月1日〜3月15日現在の当サイトでの抗アレルギー薬使用ランキングです。
薬名 | 投票数 |
ザイザル | 80件 |
アレロック(オロパタジン) | 53件 |
タリオン(ベポタスチン) | 52件 |
アレグラ(フェキソフェナジン) | 40件 |
クラリチン(ロラタジン) | 28件 |
ディレグラ | 24件 |
ジルテック(セチリジン) | 16件 |
アレジオン(エピナジオン/エピナスチン) | 14件 |
エバステル | 10件 |
ゼスラン | 5件 |
なお、<花粉症の薬 市販薬>のページにも書きましたが、今まで処方薬だった第二世代抗ヒスタミン薬の一部が、スイッチOTCとして普通の薬局で処方箋無しでも買えるようになりました。<塩酸アゼラスチン(アゼプチン)>ハイガード(エーザイ)、<フマル酸ケトチフェン(ザジテン)>パブロン鼻炎Z(大正製薬)、ザジテンAL(ノバルティスファーマ)<メキタジン(ゼスラン)>アルガード鼻炎内服薬Z(ロート)、ピロットA錠(全薬工業)、アレジオン10(エスエス製薬)などが既に出回っています。
※ パブロン点鼻Zは血管収縮剤を含まない純粋な第二世代抗ヒスタミン点鼻薬ですので、花粉症シーズンに渡っての使用が可能で、おすすめの点鼻薬です。
抗アレルギー薬はすでに症状が出ている状態ではあまり効きを感じにくいですが、シーズン中飲み続けても目立った副作用が出にくいということもあって、花粉症の治療薬としては第一選択になります。多くの方が抗アレルギー薬として処方されている「第二世代抗ヒスタミン薬」では多少の抗ヒスタミン効果を併せ持っているため、症状が出てしまってからでは全く効果がないというわけではありません。また、抗ヒスタミン成分によりある程度の即効性を期待できるものもあります(ジルテック、タリオン、アレグラ、ゼスランなど)。なお、抗アレルギー薬は銘柄によって抗ヒスタミン効果、眠気の大小などがありますので、それらにつきましては<花粉症の薬 分類と効果一覧表>をご覧下さい。
なおこの抗アレルギー薬は強い効果が期待できない代わりに目立った副作用が出にくいという比較的安全な薬ですが、毎日飲み続ける薬としては薬価の高いものが多いというのが欠点です。特に新薬はどうしても薬価が高くなりがちで、アレジオン、クラリチン、ザイザル、などを飲み続けていると結構な金額になってしまいます。ちなみに薬価はクラリチンが約95円/日、アレジオン錠10が約200円/日、ザイザル5mgが約100円/日、ディレグラが約250円/日で(いずれも2016年1月現在の薬価)、中でも新しいザイザルおよびディレグラは2016年1月現在ジェネリックも出ていないためどうしても高くつきます。アレジオンやクラリチンはジェネリックも出ており、その場合の薬価は1/2〜1/5くらいになります。なお比較的安価なゼスランは新薬でも約10円/錠です。傾向として、薬価の高い薬=比較的新薬に近いものは眠気の副作用が少なく、薬価の安い古くからある薬は眠気も出やすいようです。例えばザイザルはジルテックの改良版(光学異性体)で、効き目は同じで眠気などの副作用は半分をうたっています。しかし抗ヒスタミン効果は眠気に比例する部分もあるので、効き目を重視すると眠気も強くなり、眠気の出にくい薬は効き目を妥協せざるを得ないという、薬の選択の難しさがあります。
次のページでは即効性の高い抗ヒスタミン薬について触れます。
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