花粉症の薬について解説。アレグラやアレロックなど病院で出される処方薬と薬局で購入できる市販薬との違い、症状に応じた効果的な選び方など。 [花粉症の薬TOP]

花粉症の市販薬

内服薬

花粉症用あるいは鼻炎用として薬局などで市販されている薬はほとんどが抗ヒスタミン薬です。 抗ヒスタミン成分としてはポララミンと同じ「マレイン酸クロルフェニラミン」、 もしくはそれに類似の成分(「マレイン酸カルビノキサミン」=シベロンなど)が非常によく使われています。 薬のパッケージの成分表で確認出来るかと思います。 抗ヒスタミン薬は即効性がありますがあまり効果が持続しない(6時間程度)ので、カプセル状にして効果を長時間持続 するようにしたものもありますが、こちらは大体12時間程度の効果が持続します。

錠剤では前途の抗ヒスタミン成分が2mg、カプセルでは4mg配合されている ものが多いようですが、正確にはd-マレイン酸クロルフェニラミンとdl-マレイン酸クロルフェニラミンというものがあり、同量でd体はdl体のほぼ2倍の効果があります。そのため、d体であれば一日量が3.5〜6mg、dl体であれば7.5〜12mgに設定されています。

この「d-」とか「dl-」は大抵パッケージに書いてありますが、書いていない場合は上記の一日量でだいたい判断できます。錠剤やカプセルによって抗ヒスタミン成分の配合量が異なりますが、一日量はほぼ同じになるように服用回数などが指定されていますので、d体の2mg錠では一日3回、dl体の4mgカプセルで一日2回、という具合です。

単純にマレイン酸クロルフェニラミンという名前だけに注目すると、ポララミン(一日量6mg)より、市販の鼻炎カプセル(一日量8mg)の方が強いのではと感じてしまいますが、一日量が7mgを超える場合はdl体ですので、怖がって服用量を減らしたりしなくても大丈夫です。説明書の用量を守って使用しましょう。

代表的な市販の抗ヒスタミン薬
 

パブロン鼻炎カプセルS

アネトンアルメディ鼻炎錠

なお、この成分の量=効果=眠気と 考えてよいかもしれません。市販薬では眠気解消のためにカフェインなどが配合されているものが多いですが、 それでも完全に眠気が解消されるものではありません。眠気についてはかなり個人差がありますので、人によっては あまり気にならないこともありますし、逆に眠くなりすぎて何も出来なくなってしまうこともあります。 花粉のつらさを我慢するか、眠気を我慢するか、というのが判断に迷うところです。

なお、注意することとして同時に複数の薬を服用する際には、薬の銘柄が違っても成分や効果に同じものが含まれていることが あるということに気を付けなければなりません。例えばポララミン、セレスタミン、それから市販の鼻炎カプセル等に含まれる 「マレイン酸クロルフェニラミン」は、総合感冒薬にも含まれていることが多いため、それらの飲み合わせはよほど成分を把握していない限り避けた方が無難です。 同時にそれらの薬を服用すると、薬毎の用量を正しく守っても成分あたりの一日の限度量を超える可能性があります。花粉症の最中に 風邪をひいた場合など、薬の飲み方には十分注意しましょう。鼻炎カプセルと風邪薬は抗ヒスタミン成分が重複しますので 同時に服用することは避け、風邪薬だけにする、あるいは鼻炎カプセルと解熱鎮痛消炎剤(バファリン、イブ等)くらいにしておいた方が安全です。

また花粉症とは関係ありませんが、風邪薬と解熱鎮痛消炎剤の飲み合わせも注意が必要です。風邪薬のパブロンエースと解熱鎮痛薬であるイブAには それぞれ1回量に150mgのイブブロフェンが含まれているため、一緒に飲むと規定の2倍を服用してしまうことになります。市販薬は 様々な成分を含んだものが多いため、基本的に他の薬との飲み合わせは避けた方が良いです。

(07.02.01追記)最近になって、今まで処方薬だった第二世代抗ヒスタミン薬の一部が、 スイッチOTCとして普通の薬局で処方箋無しでも買えるようになりました。 買えるようになったのは、塩酸アゼラスチンの内服薬、フマル酸ケトチフェンの内服と点鼻、 メキタジンの内服薬だそうです。処方薬の代表名で言うと、それぞれアゼプチン、ザジテン、ゼスラン(メキタジン)になります。

薬局に並ぶこれらのスイッチOTCをちょっと調べてみたところ、<塩酸アゼラスチン>ハイガード(エーザイ)、 <フマル酸ケトチフェン>パブロン鼻炎Z(大正製薬)、<メキタジン>アルガード鼻炎内服薬Z(ロート)、ピロットA錠(全薬工業) が既に出回っているようです(他にもあるかもしれません)。

(14.02.09追記)少しずつですがその後もスイッチOTCが増えております。最近では<フェキソフェナジン塩酸塩>アレグラFX(久光製薬)などが新しいです。処方薬でいうところのアレグラですが、眠気がほとんど出ないのが強みです。

スイッチOTCとなった第二世代抗ヒスタミン薬
 

アルガード鼻炎内服薬Z

アレジオン10

点眼薬(目薬)、点鼻薬

花粉症用として市販されている点眼、点鼻薬は様々な成分が配合されていますが、メインとなる成分は抗ヒスタミン薬が多いです。 内服薬と同じく「マレイン酸クロルフェニラミン」が代表的な抗ヒスタミン成分です。含有率は0.01〜0.03%です。 このタイプはアルガード、アイリスAGクールなど非常に多く出回っていますが、含有率が0.03%のものは非常に即効性が高く、 注した直後から目のかゆみがあっという間に引いていくのが体感できます。下記の写真が出ているものは全て0.03%です。 即効性が高いのが特長ですが、反面効果はあまり持続せず、使い続けると効きにくくなってくるという欠点があります。 予防的には使用せず、かゆいときのみ点眼するようにします。

市販の抗ヒスタミン点眼薬(目薬)
 

アルガード

サンテALクール2

アイリスAGクール

それと最近は抗アレルギー薬の「クロモグリク酸ナトリウム」と抗ヒスタミン薬の両方を配合した目薬なども出ています。 インタールなどを使っていない人には便利です。ただしそういう製品のほとんどは「クロモグリク酸ナトリウム」 の含有率がインタールの半分の1%になっていますし、高価です(一本=約10mlで1000円以上)。 こちらはシーズン中使い続けて問題ありませんが、効きに切れ味を感じられないところが残念なところです。 なお、市販ではステロイド系の目薬はみかけません。

クロモグリク酸ナトリウム配合タイプ
 

AGアイズ モイスト

アルガード クリアブロック

(08.01.17追記)しかし2008年シーズンにとうとう真打ちとも言える目薬がスイッチOTCで市販薬として登場しました。フマル酸ケトチフェンという第2世代抗ヒスタミン薬を主成分としたもので、予防的効果とある程度の即効性を併せ持つ、非常に使いやすいタイプでおすすめです。おそらくこれからの主流になるでしょう。

スイッチOTCの第2世代抗ヒスタミン点眼、点鼻薬
 

ザジテンAL点眼薬

ザジテンAL鼻炎スプレーα

なお、市販の点眼&点鼻薬の多くに血管収縮剤(塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、硝酸テトリゾリン、塩酸オキシメタゾンなど)というものが配合されています。特に点鼻で顕著ですが、使い始めはたちどころに鼻の通りが良くなり気持ちが良いですが、連用するとリバウンドによってかえって鼻づまりを起こすことが多いです。花粉症は人によっては数ヶ月続くものなので、市販の点鼻薬など依存性が強いものは使用に十分な注意が必要です。使うのであればどうしてもつらいときに数日程度を目安にするのが良いかと思います。個人的には花粉症に市販の点鼻薬(血管収縮剤を含まないものはのぞく)を使うことはあまりおすすめしません。

※ スイッチOTCのパブロン点鼻ZやザジテンAL点鼻スプレーは、血管収縮剤を含まない純粋な第二世代抗ヒスタミン点鼻薬ですので、花粉症シーズンに渡っての使用が可能でおすすめです。

点眼薬(目薬)や点鼻薬の使い方については、前項の<点眼薬(目薬)の注し方、点鼻薬の使い方>をご覧下さい。

次のページは、今まで登場した薬の即効性、眠気、持続時間など、薬の効果一覧表です。

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